自宅や会社でエアコンを使う時期になると、気になってくるのが、室内の乾燥ですよね。一般的には冬の時期は乾燥していて静電気などにも悩まされるイメージですが、夏の時期でもエアコンを長時間使っていると乾燥するんですよ。
私はハウスクリーニングの仕事を通して、エアコンの正しい使い方などもお客さんに教えているのですが、自分自身が乾燥体質ということもあり、冬の乾燥時期は、顔や手がカサカサになったり、静電気で痛い思いをすることがあります。そういった意味でも乾燥対策にはかなり力を入れています。
この記事では、身近なものでできる加湿方法から、加湿器を使った徹底対策まで順番に解説していきますよ。また、乾燥対策と一緒に知っておいて欲しい、エアコンのカビや雑菌対策も一緒にお伝えしますね。
まずはエアコンで部屋が乾燥する原因から見ていきましょう。
エアコンの冷暖房で部屋が乾燥する原因
エアコンは暖房を使っても冷房を使っても部屋を乾燥させてしまいますが、実は乾燥するメカニズムは全く違うって知ってましたか?
水蒸気は、
- 温度が上がると蓄えられる容量が上がる
- 温度が下がると蓄えられる容量が減る
と言う性質があります。
暖房を使用したときは、部屋の温度が上がるので、水蒸気の許容量も増えます。しかし部屋を加湿していないと水蒸気は増えないので結果的に乾燥してしまいます。
一方冷房の場合は、部屋の温度を下げるので、水蒸気の許容量は減ります。すると今まで部屋にあった水蒸気はエアコン内部で結露になり外に排出されてしまいます。その結果部屋が乾燥してしまうとわけです。
と言っても夏は元々湿気が多い季節なので、長時間エアコンを付けなければ乾燥で困ることは少ないと思います。
エアコンを使うときの乾燥対策
エアコンの乾燥のメカニズムが理解できたところで、それに対する対策をしていきましょう。夏と冬で乾燥対策がちょっと変わるので順番に説明していきますね。
湿度計で湿度を視覚化する
乾燥対策とはちょとずれるのですが、湿度計で湿度を客観的に見れるようにしておくのはかなり大事になります。明らかにジメジメして湿度が高い時は感覚でわかると思いますが、乾燥は気がつきにくい部分でもあります。また普段から目の届く場所に置いておくことで、湿度を気にするようにもなります。購入するなら湿度、温度、時計が付いたコンパクトで多機能タイプがおすすめですね。
マスクで喉の乾燥対策
マスクは手軽に使えて、一番ポピュラーなグッズです。特にエアコンを付けて就寝するときは、マスクをしておくと喉の乾燥対策にもなります。
マスクで息苦しくなり睡眠の質が下がってしまう場合もあるので一概には言えませんが、使い捨てのマスクより、洗濯できる布製マスクの方が肌にも優しくおすすめですよ。
身近なものを使って乾燥対策
なるべくお金をかけずに今すぐできる乾燥対策を集めました。どれも実践しやすいので試してみてください。
濡れタオルや洗濯物を部屋干しする
バスタオルを濡らしたり、洗濯物を部屋干しして室内の乾燥を防ぐ方法です。簡単で洗濯物も一緒に乾かせるので一石二鳥の方法です。部屋の中央付近に干すのが理想になります。
冬の注意点として、カーテンレールにハンガーをかけて洗濯物を干す場合は、窓から冷気が入ってくるので洗濯物が乾かない上に、湿気が窓際にたまり結露とカビの原因になることがあります。
洗面ボウルに水を貯める
ツイッターで見つけたときは私もなるほどと思ってしまいました。ホテルに宿泊したときの乾燥対策としてはかなり使えそうです。
【乾燥対策】
#大学受験 の季節、遠方の #ホテル 等に宿泊する人もいるかと思います。
#乾燥 しがちなホテルの部屋😷夜、
❶洗面ボウルに水をため、
❷濡らしたタオル・ #手ぬぐい などをバスルームにかけ、扉を開けて寝ると乾燥防止になります。
🌸受験📝応援しています!📣 pic.twitter.com/F6SiGO2zj3— ねりしゅに子/辻村聡子 (@hankomusume) January 19, 2019
自宅で行う場合は、こぼさないような置き場所が必要ですが、洗面器などに水を貯めて部屋に置いておくだけでも良いと思います。
ペーパー加湿器を使う
水を吸い上げて自然に気化させるエコな加湿器になります。ペーパー加湿器のメリットは、機械音なしで、電気不要なところです。私も経験があるのですが、加湿器の機械の音で目が覚めてしまうことがあるんですよね。そういいった不快な音が全くないので、神経質な人には特におすすめです。
観葉植物を置く
植物は根から水分を吸って葉っぱから水分を排出します。言ってしまえば天然の加湿器ですね。部屋のインテリアとして置いておけば、一緒に部屋の加湿もしてくれるので、植物の手入れが面倒でなければ、検討してみてもいいかもしれませんね。
石油ストーブでヤカンを沸騰させる
冬限定ですが、昔からある加湿方法です。最近は自然災害などで停電した時に役立つ暖房器具としても注目されていますが、ファンヒーターと違って火事になる可能性も上がってしまうので、使用するときは十分に注意しましょう。
ファンヒーターを使う
こちらも冬限定の加湿方法です。ファンヒーターなどの石油系暖房器具は燃焼するときに水蒸気が発生するので、使用するだけで乾燥対策になります。ただし、部屋の空気が汚れるので換気が必要なのと、湿度が上がりすぎて窓際が結露する可能性があります。エアコンと併用する場合は窓の結露に注意して使用してください。
加湿器を使う
加湿器は湿度調整に特化した家電ですが、
- 風邪やインフルエンザなどのウイルスの抑制
- ホコリなどのハウスダストの飛散防止
- 静電気の発生を防止
などなど、加湿以外にも効果があるんですよ。加湿器のタイプによって値段は変わってきますが、自宅にすでに加湿器がある場合は是非活用してみてください。
加湿器を使うときの位置と使用タイミング
ここからは加湿器を効率的に使うための設置位置や使用タイミングを説明していきます。使う季節によっても変わるので参考にしてみてください。
- 夏に加湿器を使う場合は、部屋の温度が十分下がってから使用する。
- 冬に加湿器を使う場合は、エアコンと同時に使用する。
- 自宅で加湿器を使う場合は、エアコンの真下に設置する。
- 会社で加湿器を使う場合は、自分のデスクの上にミニ加湿器を設置する。
夏と冬で使うタイミングが違うのは、冬はエアコンをつける前から乾燥している場合が多いからです。夏場はエアコンを付けなければ、部屋が乾燥していることはほとんどないので、長時間エアコンをつける場合に加湿器を併用すると良いでしょう。
エアコンの真下に設置するのは、加湿器から出た水蒸気をエアコンの風に乗せて、部屋全体に行き渡らせるためです。エアコンを止めて加湿器のみで使用するときは、部屋の中心に置くと効率がいいですよ。
もしも会社でエアコンが効きすぎて乾燥対策をしたいのであれば、自分のデスクにミニ加湿器を設置するのが良いでしょう。
また、加湿器を使用するときは、水蒸気が自分の体に当たらないように設置してくださいね。(直接顔などに向けると逆に乾燥してしまうことがあります。)
部屋を加湿する際の注意点
どの方法を使って加湿しても良いのですが、共通して気をつけて欲しいのが湿度の管理です。
- ウイルスは湿度が高いと死滅するが、カビの原因やダニが活発化する
- 湿度が低すぎるとウイルスが活発になって風邪の原因になる
湿度計を設置するのは前述していますが50〜60%の湿度を保つように心がけてください。
湿度が上がりすぎている場合の対処法として、窓を開けるのが一番手っ取り早い方法になります。
また、サーキュレーターや扇風機で部屋の空気を攪拌させるようにすると、部屋全体をムラなく加湿することもできるのでおすすめです。
さて、ここまでは部屋の乾燥を防ぐ方法をいつくか見てきましたが、感想対策と密接に結びついてくるのが、カビや雑菌です。エアコンは思っているよりもカビや雑菌が繁殖しやすく、それは通年を通して気をつけてもらいたい点です。
ここからはカビや雑菌のできる原因とその対策を順番に説明してきますね。
エアコンのカビや細菌に注意が必要
エアコンは定期的に掃除をしないと、どんどん汚れていく家電です。
「私の家のエアコンはお掃除機能付きだから掃除は必要ないよね?」
こんな言葉をたまに聞くのですが、実はちょっとニュアンスが違うんです。
お掃除機能付きのエアコンは汚れを抑制はしてくれますが、根本的な汚れは人の手で掃除をしてあげないといけません。どちらにしても掃除が必要だということは覚えておいてください。
エアコンの仕組みを簡単に説明すると、
- 本体の上部から空気を取り込み
- 内部で寝温度変化をさせ
- 下の吹き出し口から吐き出す
ここで問題なのが、空気を取り込む時に、部屋のホコリや、料理の際に出る油煙なども一緒に吸い込んでしまうことと、温度変換をさせる時に、内部に結露ができる事です。
結露ができるのは、冷房運転と除湿運転の時だけですが、夏に掃除をサボってそのままにしておくと、カビや雑菌が繁殖してしまいます。エアコン内部で雑菌やカビが繁殖してエアコンの風と一緒に出てきたら、肌にも身体にも良くないというのはなんとなくイメージできますよね。
カビや雑菌を防ぐには?
カビや雑菌を防ぐには、定期的な掃除が不可欠になります。まずは自分でできる方法から順番に紹介していきますね。
エアコンフィルターは自分で掃除をする
エアコンのフィルターの役割は空気に含まれていたホコリや油煙などをキャッチして、内部を汚さないためのものです。ここの掃除をサボると、フィルターの目が詰まってしまい、空気をうまく取り込めなくなってしまいます。するとエアコンは空気を取り込もうと頑張って、余計な電気代を使ってしまうので経済的にも良くないんですよ。
使用頻度にもよりますが、2週間に1度はフィルターのチェックをしてください。フィルターは掃除機でホコリを吸い取るだけで綺麗にすることができます。もしもカビが生えていたり、油でベタベタしている時は、洗剤を使って水洗いしてあげると、簡単に綺麗にすることができますよ。
水洗いの方法と、油がついた時に浸け置きの方法はこちらで解説しています。
エアコン内部のカビを死滅させる
エアコンの吹き出し口に黒い点々が見える場合はすでに内部にカビが繁殖している証拠になります。通常内部の掃除はプロの業者に依頼しないといけない部分ですが、とりあえずの応急処置として、今繁殖しているカビを死滅させておきましょう。
やり方はとっても簡単です。
- 換気を回すor窓を開ける
- 暖房で1時間以上運転する
エアコンの電源を入れる前に換気扇を回すか、窓を開けて換気をしてください。そうすることで、エアコンの風に乗って出てきたカビ胞子を外に追い出すことが可能です。
エアコンに発生するカビは、黒カビと言われるもので、アルコール消毒と熱には比較的弱い性質があります。エアコンの内部をしっかりと乾燥させてあげると、繁殖していたカビは全て死滅してしまいます。余裕があれば、目に見えるカビは濡らしたタオルで拭き取り、アルコールで消毒しておきましょう。
エアコン内部が汚れすぎていたらプロに依頼する
エアコンのフィルターの奥にある熱交換器と呼ばれる部分は自分で掃除をするが大変なので、プロに頼んで掃除をしてもらいましょう。
プロはエアコンのカバーを外して、業務用の洗剤で丸洗いしてくれるので、自分ではできない部分の汚れまで綺麗にしてくれます。
相場は1台1万円〜2万円になります。(お掃除機能付きエアコンは割高ですよ。)
掃除を頼む目安として、
- 3年に1回
- 吹き出し口からカビが見える
- カビ臭い風が出てくる
エアコンを使わない時期にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
最後に
エアコンの乾燥対策として、お手軽な方法から加湿器を使った場合の使用方法まで見てきました。外泊先や会社内、自宅の乾燥対策に取り入れてみてください。
乾燥対策をまとめると、
- 湿度計で湿度を視覚化する
- マスクを使用する
- 濡れタオルや洗濯物を部屋干しする
- 洗面ボウルに水を貯める
- ペーパー加湿器を使う
- 観葉植物を置く
- 石油系暖房器具を使う
- 定期定期にフィルターを掃除する
- エアコン内部のカビを死滅させる
- 自分で手の届かない場所はプロに依頼する
私の意見としては、上記の身近な方法を試してみて、湿度が上がらなかった場合に加湿器を使うという流れが、経済的で良い気がします。濡らしたバスタオルを部屋干しする方法は個人的には一番おすすめできる方法ですよ^^