夏の暑い中キッチンで料理を作るのはかなり大変ですよね。気温も年々上昇して夏にエアコンを使わないで過ごすのは至難の技になりつつあります。しかも料理中には火を使うので、エアコンで部屋を涼しくしないと料理自体が苦行みたいになっちゃって大変です。
ただし、料理中にエアコンを使うと、エアコンににおいが移ったり、エアコン内部が油で汚れてベタベタになっちゃうのが嫌だって人もいらっしゃいますよね。私はハウスクリーニングの仕事をしているので、掃除の際のこのような相談を受けることもあります。
この記事では、そんなお悩みを解決できる方法をいくつか紹介していきますよ。
- 料理中にエアコンが汚れる理由と対処方法
- エアコンの匂いが気になる時の一時しのぎの方法
- エアコンの匂いを根本的に取り除くには?
- 匂いをつけないための再発防止策
今すぐにできることから、普段から気をつけてほしいことまでまとめて解説していきますね。
まずは料理中にエアコン内部が汚れるメカニズムとその対処方法を説明していきます。
料理中にエアコンが汚れる理由と対処方法
キッチンの近くのエアコンは他の部屋のものと比べると汚れるスピードがかなり早いです。これは料理をする頻度にもよりますが、そのメカニズムを簡単に説明しますね。
- キッチンで料理をする。
- 油が気化して水蒸気と混じり油煙になる。
- 油煙は空気中を漂い、部屋のいたるところに付着する。
- 元々が油なので、付着した部分がベタベタになる。
- エアコンは部屋の空気を吸い込んで吐き出しているので当然油煙も吸い込んでしまう。
- エアコンフィルターや内部が油でベタベタになる。(カビの原因にもなる)
- 油やカビのにおいでエアコンから不快な風が出る。
料理とエアコンを併用した時は上記のようなことが起こっています。
これを繰り返していくと、写真のようにフィルターが茶色くなっていきます。
カビとホコリと油で汚れたエアコンを使っていると、環境的にも不衛生で、子供がいる場合はアレルギーの原因になってしまうこともありますよ。
また、フィルターが油でギトギトになってくるとホコリも付着しやすくなってエアコンの冷房効率も下がってしまいます。すでにキッチンやリビングのエアコンが上の写真の状態の時はすぐに掃除をしてあげてください。
エアコンフィルターのチェックと掃除方法
キッチンの近くにあるエアコンは2週間に一度は中のフィルターをチェックしてください。放っておくと油汚れで目詰まりを起こして冷房換率が落ちます。部屋が冷えなくなる上に掃除も面倒になってきますよ。
普通のフィルターは掃除機か、お風呂でシャワーをかけてあげればホコリが取れるのですが、油を吸ってしまったフィルターはベタベタしているので掃除機で汚れを取ることは困難になっています。
軽度の汚れならお湯と重曹で浸け置きすれば取れますが、汚れがひどくなると専用の洗剤で浸け置きする必要があります。漬け置きはゴミ袋にお湯と洗剤を入れるだけなので、手間もかからずに簡単にフィルター掃除ができますよ。
- ゴミ袋
- 油用マジックリン
- ブラシ(歯ブラシ)
フィルターにマジックリンを振りかけてゴミ袋に入れる
10分〜20分放置する
袋から出してお湯でしっかり洗う(専用ブラシや歯ブラシで細かい汚れも落とせる)
フィルター掃除はこちらの記事でも詳しく書いているので参考にしてみてください。
エアコンのにおいが取れない時の一時しのぎに
フィルターを掃除しても内部まで油煙が入り込んでしまうと、においが取れない場合があります。
例えば
「近々自宅にお客さんが来るけど、業者を呼んで掃除してもらう時間はない!一時しのぎで良いからにおいをなんとかしたい!」
って場合に試してみてください。
- 運転開始10分は窓を開けておく。
- 高温で1時間以上送風運転する。
- 冷房運転で設定温度を下げる。
- カビ防止スプレーを吹きかける。
①エアコンは運転開始が一番においが発生します。内部に溜まっていたカビ胞子などが一気に外に出るためです。なので運転時は対角線状の窓を開けて、空気を入れ替えながらエアコンを使ってみてください。気休めですが、冷房効率は多少落ちますがにおい対策にはなります。
②油煙はカビの温床にもなるので、カビが内部で繁殖してにおいの元になっている可能性もあります。その場合は、内部をなるべく乾燥させてカビを死滅させてください。部屋の温度が上がってしまうので、自分が部屋にいない時に行うのが一番おすすめです。
③冷房運転で設定温度を下げる方法は、夏場に一番活躍する方法ですね。空気中の温度が下がることでにおい成分は揮発しにくくなるので、結果的ににおいを感じなくなります。
④エアコン用のカビ防止スプレーには消臭効果がついています。この後説明しますが、フィルターの奥にある熱交換器と呼ばれる金属の網に直接スプレーしてください。これで一時しのぎですがにおいを感じなくなりますよ。
エアコン内部の掃除はプロに相談しよう
フィルターとエアコンカバーは自分で綺麗にすることができますが、内部の熱交換器(フィン)とエアコンの吹き出し口(ファン)は知識のない人が掃除すると壊してしまう可能性があるのであまりおすすめしません。
一応カバーの外し方と掃除の方法も別記事で書いているので、気になる方は参考にしてみてください。
上の写真は綺麗な状態もののですが、1年〜2年と使用していくと
ファンの周りに汚れが付いて取れなくなってしまいます。ここにカビが繁殖して空気が汚れる原因にもつながります。
市販で売られているスプレーは油汚れを落とす力はないので、プロに依頼して内部洗浄をしてもらうのが一般的な掃除方法になります。地域によって相場は違いますが、だいたい1万円〜1万5千円です。お掃除機能付きエアコンは分解するのに時間がかかるために料金が上がります。
エアコン掃除の目安は、
- エアコンの吹き出し口にカビが見える。
- エアコンの風がくさい。
- エアコンの効きが悪い気がする。
- 購入から3年以上経過している。
少し面倒でもエアコンのフィルターや吹き出し口をチェックするのが掃除の目安になると覚えておいてください。吹き出し口は手で簡単に開けれますよ。
料理中にエアコンと換気扇を併用する時は
最初に勘違いしている人も多いので説明しますが、エアコンに換気機能はほぼありません。室内機と室外機が繋がっていて、室外機のファンが一生懸命回っていると、部屋の熱い空気を排出して、空気を循環させているように思えますが、実は吸った空気を内部の熱交換器で冷やして部屋に戻しているだけです。
換気扇とエアコンを併用すると、部屋の冷気も外に排出されて電気代の無駄なんじゃないかと思ってしまいますが、部屋全体に油煙が撒き散らされて部屋中ベタベタになるよりマシだと私は思います。
ではエアコンと換気扇を併用するときの、油煙を撒き散らさない効率の良い手順を説明しますね。
- 料理の前段階から換気扇の近くの窓を少し開ける
- 換気扇を回す
- 自分にエアコンの冷気が来るように扇風機などで風を送る
- 料理を開始する
- 料理が終わった後も10分ほどは換気扇をつけておく
①風の流れはゆっくりで料理と同時に窓を開けても、うまく風の逃げ道を作ってあげられない可能性もあります。なので最初に窓を少し開けることで換気扇との間に風の通り道を確保してあげましょう。
②窓を開けると同時に換気扇も回し始めます。これで窓から新鮮な空気が入り、その分だけ換気扇から効率よく空気が廃棄されます。
③換気扇を回すので、部屋の冷房効率はもちろん落ちますが、風の通り道を作ってあげることで、油煙でエアコンが汚れにくくすることはできますよ。また自分に直接風が当たるように、サーキュレーターや扇風機を当てると料理中の暑さを軽減できます。
④料理を開始する時にはすでに風の通り道が完成しているので、料理ででた油煙は効率よく換気扇から外に排出されます。
⑤料理直後はまだ空気中に油煙が残っているので、しばらくは換気扇を回して排出するようにします。
油煙対策と一緒に夏のキッチンの暑さ対策を考えるなら、
- なるべく火を使わない料理方法を考える。
- ガスコンロからIHに変える
などの方法もあります。IH料理器具はガスコンロに比べると圧倒的に油煙が広がりにくい特徴があるので、これからキッチンをリフォームしようかなと考えている方は頭の片隅においておいても良いでしょう。
最後に
料理中にエアコンを使用すると、少なからずエアコン内部は汚れていきます。そのため、定期的な掃除は必須ですよ。
最後に、料理中にエアコンを使用するときの注意点を簡単にまとめますね。
- 料理をする際は、事前に窓を開けて、換気扇をつけ風の流れを作る。
- 料理が終わった後も10分は換気扇を回して残っている油煙を吸い上げる。
- エアコンは定期的にフィルター掃除を行う。
- どうしてもにおいが気になる時は、プロに依頼して掃除をしてもらう。
- 運転開始10分は窓を開けておく。
- 高温で1時間以上送風運転する。
- 冷房運転で設定温度を下げる。
- カビ防止スプレーを吹きかける。
- エアコンの吹き出し口にカビが見える。
- エアコンの風がくさい。
- エアコンの効きが悪い気がする。
- 購入から3年以上経過している。
これらを注意しながら使用してみてください。
油煙やにおいを完全に防ぐことはできませんが、抑制することは可能ですし、掃除回数もグンと下がるはずですよ^^
また自分で定期的に掃除をすれば、フィルターの目詰まりがなくなり冷房の効きも良くなります。無駄な電気を使用しなくなるので結果的に省エネにもつながりますよね。