先日お客さんのお宅にエアコン掃除に伺った時にこんなことを言われました。
意外と知らない方も多いのですが、エアコンは室内の空気を取り込み冷暖して部屋に戻しているだけなんです。(最新エアコンには一部換気機能が付いていますがこちらの説明は後述します。)
室外機と室内機が配管でつながっているので、イメージ的には空気を入れ替えている感じもしなくもないですが、あくまでイメージですよ。
私も掃除の仕事をするまでは知りませんでしたが、エアコン使用時の換気扇って意外と大事だったりします。この記事では、
- 換気扇とエアコンは一緒に使っていいの?
- メリットやデメリットはあるの?
- 快適に過ごすための上手な使い方は?
- 換気機能がついたエアコンの性能は?
を順番に解説していくので、参考にしてみてくださいね。
エアコンと換気扇は一緒に使っていいのか?
結論から言うと、一般的なエアコンには換気機能はついていないので、部屋の空気を入れ替えると言う点では、換気扇はつけた方が良いです。
新しい家ほど機密性がしっかりしてきているので、古民家などの古い家に比べて自然に空気の入れ替えが行えなくなっています。その結果、空気がどんどん汚れていきます。(新築物件は24時間換気システムが義務化しています)
実際はエアコンが空気を汚すのではなく、その空間にいる人が二酸化炭素を出し、空気を汚しているのです。部屋の換気はエアコンをつけていない状態でも必須だと言えますね。
空気が汚れるとどうなるの?
では部屋の空気が汚れるとどういったことが起こるのかを簡単に説明しますね。
先ほども触れましたが、部屋の空気を汚す原因となっているのは人の吐く二酸化炭素、家の材料に使われている化学物質が挙げられます。
人は呼吸を知る二酸化炭素を発生させますが、換気をしないと部屋にたまり、息苦しさや頭痛を引き起こす原因になります。
また家の材料に使われている化学物質は揮発して室内に止まり続けると、シックハウス症候群という病気になる可能性があります。
吐き気・めまい・頭痛・目、鼻、のどの痛みなどの症状が出てきます。
エアコンと併用するメリットは?
換気扇を使うと部屋の空気を排出して新鮮な空気を部屋に入れることができるので、空気が綺麗になり清々しい気分で生活することができます。
また温度の調節をするのにも最適です。暑くなりすぎたり、寒くなりすぎた時に、温度をリセットすることができるので便利ですね。外気との温度差が小さくなれば、結露も減るので、カビ予防にもつながります。
エアコンと併用するデメリットは?
換気扇を使うことで部屋の冷えた(温めた)空気は多少なりとも逃げてしまいます。そういった意味ではロスが出てしまいますね。
換気扇をつけっぱなしにしたり、エアコンとの位置関係が悪いと、エアコンから出た風が全て換気扇に吸われてしまうこともあるので、お互いの位置関係は大事ですよ。
一番いいのは対角線上にある状態ですよ。
逆に一番悪いのは、エアコンと換気扇が隣同士にある状態です。こうなると部屋を冷やす(温める)前に換気扇に吸われてしまい、部屋の温度は変わらずに、無駄に電気代がかかってしまうことになります。
エアコンからポコポコ音がする時は
こちらはデメリットというよりは注意点に近いのですが、換気扇から部屋の空気を排出すると、同量の空気を外気から取り込もうとする現象がおきます。気圧のバランスを取るためですね。
マンションなどの機密性の高い建物の場合はエアコンの排水口からも空気を取り込もうとして、ポコポコ音が鳴ってしまうんです。
解決策としては
- 窓をほんの少し開ける
- 空気取り込み口を開ける(マンションに備え付けの空気穴のこと)
外から空気を取り込める状態を作れば簡単に解決するので、音が気になった時は試してみてくださいね。
快適にすごすための上手な使い方
エアコンを使って部屋を冷暖する時は、換気扇と同時に使うことで空気の流れを作ることができ、隅々まで冷たい(暖かい)空気を送ることができます。エアコンのみで運転していると、空気の流れができないので、部屋の中でも温度差が出てしまうんです。(暖かい空気は上に、冷たい空気は下に)
ただし、換気扇とエアコンが隣同士にある場合は、換気扇を使わずに使用した方が効率が上がります。
部屋の温度が快適になった後は、換気扇は一旦止め、部屋の温度調整や空気の入れ替えの時に弱で換気扇を回せれば一番ロスの少ない換気が行えますよ。
空気の入れ替えは1時間に一度行えば大丈夫ですよ。
換気機能を持ったエアコンの性能は
エアコン業界もどんどん新しい機能をつけた高性能なものが登場しています。その中でも換気機能付きのエアコンも販売されているので、そのエアコンの性能についても調べてみました。
換気機能付エアコンのメリット
- 部屋の室温を保ちながら換気をしてくれる
- 脱臭効果もある
部屋の室温を下げない状態で換気も行ってくれるのはとてもありがたい機能です。ただしエアコンについている換気扇の性能は期待できるほどではないようです。
仕事でたまたま見かけたエアコンが換気機能付きだったので写真を撮っておきました。実物を見るとわかりますが、これ1つで部屋の換気ができるのかと言うと、ちょっと難しい気がしますよね。
換気扇や空気清浄機のサポート程度と考えて使うのが一番しっくりくる気がします。
部屋に換気扇がなかったり、換気をするのが難しい環境の時は空気清浄機を使って空気を綺麗にするのが効率的だと思いますよ。
ただし、空気清浄機はフィルターを使って部屋の空気を綺麗にしているだけなので、フイルターが汚れてくると機能が落ちてきます。
定期的に掃除をするか、新しいフィルターに入れ替える必要性が出てきますね。
最後に
今回の話を簡単にまとめると、
- エアコン使用時は適度な換気が必要。
- エアコンと対角線状の窓を少し開けると空気の流れができて部屋の隅々まで冷やせる。
- エアコンと換気扇が隣同士の時は一緒に使わない。
- エアコンの換気機能は補助的なものと考える。
エアコンと換気扇は一緒に使った方が部屋の環境を綺麗に保つことができます。多少の冷暖のロスはでますが、汚い空気の中で過ごして体調を崩してしまうのも本末転倒のような気もします。
私も休みの日に一日部屋でゴロゴロすることもあるのですが、ときどき原因不明の頭痛に襲われて、無駄な休みを送ってしまうときがあります。きっと不衛生な空気の中で過ごしていたのが原因だったのかなとこの記事を書きながら思いました。
換気扇とエアコンはどちらも快適に過ごすためには必要なものです。お互いの長所を生かしてうまく活用することで、部屋の空気を入れ替えながら快適な温度の部屋で過ごすことができますよ。