ハウスクリーニングの仕事をしていると、
「エアコンの中に虫がいるようなんだけど確認してほしい!」
と問い合わせをもらう事があります。エアコンと虫ってあんまり接点がない気がしますが、意外とそんなことはなく、室外から侵入してエアコン内部に巣を作っている事もあるんですよ。
私が仕事で伺った家のエアコンは何年も掃除をしてない状態でした。中からカサカサと音がするから見てくれと言われたのですが、恐る恐る中を覗くと、虫が住み着いていました。「よくこれでエアコンが稼働していたな」と思える状態です。
この記事では、エアコンの中に虫がいた時の対処法から、虫が侵入してこないための予防策まで徹底的に解説していきますよ。
まずは、虫が侵入してしまった時の対処法から見ていきましょう。
虫が侵入してきた時の対処法
エアコン内部でカサカサと音がして、明らかに虫が侵入していると分かったら、一刻も早く対処したいですよね!そこで、すぐに実践できる対処法からやってはダメな対処法まで一緒に説明していきますよ。
エアコンを送風にして中を乾燥させる
エアコンには送風運転という機能があり、エアコン内部に風を循環させることができます。役割としては、エアコン内部の乾燥が目的になります。
エアコンは運転を開始すると内部に湿気が溜まっていき、そのまま放置して使用していると、カビが発生したり、フィルターにホコリが溜まってしまいます。それを繰り返していった結果、虫たちが住みやすい環境が出来上がるんです。
なので初めにエアコン内部をしっかり乾燥させて湿気を無くしてあげましょう。内部を乾燥させることで繁殖しているカビも死滅させることができます。(1時間を目安に送風運転をしましょう。)
内部に風を循環させてあげれば、湿気もなくなり、虫もいなくなる可能性があります。
自分で中を確認するのが嫌な人はまず試して欲しい方法ですね。
ミント系のアロマを使う
送風運転と一緒に試して欲しいのは、ミント系のアロマを部屋に焚いてみる方法です。虫の多くはミント系の匂いを嫌って逃げていきます。よく野菜や果物の隣にミントを植えると虫が寄ってこないと言われれていますが、それと同じ原理ですね。
今はちょっとした雑貨屋やホームセンターでも販売されているので、家に置いてなくてもすぐに入手可能です。送風運転にミントの匂いをプラスして、虫の方から逃げ出すように仕向けてみましょう。
プロの業者に依頼する
自分で内部の掃除をできればいいのですが、手の届かない場所はプロに依頼するのが一番確実です。事前に状況を説明しておけば、内部のカビとホコリの洗浄や、虫対策までしっかり対応してくれます。
プロに依頼した時の値段の目安ですが、1万円〜1万5千円です。(地域によって値段が変わります)
虫の侵入対策はホームセンターで材料を買えば簡単にできるので後で一緒に説明しますね。
【注意】殺虫剤は使っていはいけない
虫といったら殺虫剤の出番だと思う人もいるかもしれませんが、エアコン内部に直接吹きかけることはしないでください。殺虫剤の成分がエアコンに残ってしまうと、運転時に殺虫成分が部屋中に撒き散らされることがあり、体調を崩す可能性が出てきます。
もしも使うときはエアコンから出てきてしまった虫に対してのみ使用しましょう。
虫の死骸や糞がエアコン内部に残ってしまった時は
長い期間エアコン内部に虫がいた場合、虫を追い出したとしても死骸や糞がそのまま残ってしまうことがあります。死骸や糞をそのままにしておくと、衛生上良くありませんし、体調不良や臭いの原因になったりもします。さらに死骸などは外から目視で確認することが出来ないので、エアコンのカバーを分解して確認する必要性が出てきます。
お掃除機能付きエアコンは分解が難しいのでプロに頼ることをおすすめしますが、お掃除機能が無いエアコンならドライバー1本で簡単に外すことがで可能です。ここでは、お掃除機能無しのエアコンの分解方法を簡単に説明していきますね。手順は大きく4つです。
- 前面パネルを外す。
- フィルターを外す。
- カバーのネジを外す。
- カバーを外す。
①の前面パネルは下の写真に書いてある場所です。それを開けると②のフィルターが出てくるので、どちらも一緒に外してしまいましょう。
③のカバーのネジ部分はメーカーによって場所と本数が異なりますが、ほとんどが下の写真の位置に付いています。また、カバーの上部は爪で引っかかっているだけなので、爪を外してあげればガコッと外れてくれます。
カバーを外す時に無理に力を入れると割れてしまうこともあるので無理はしないでください。特に古いタイプはプラスチックが劣化している可能性があります。
カバーを外す際の注意点など細かい部分はこちらの記事でも書いているので参考にしてみてください。
ここまで分解すればカバーもフィルターも全て水洗いすることができます。虫の死骸や糞はカバーの裏側に付いていることがほとんどなので水洗いして綺麗にしましょう。細かい部分は歯ブラシなどを使うと掃除しやすいですよ。
フィルターは掃除機を使ってホコリを吸い取ってあげましょう。これだけで見違えるほど綺麗になります。
湿気やホコリが溜まった状態は虫にとっては住みやすい状態なので、定期的に内部の掃除をして虫たちが住みにくい状態にしましょう。
虫が侵入してこないための予防方法
エアコン内部に潜んでいた虫を追い出すことに成功したら、再度侵入してこないように予防策を講じる必要があります。まずは予防策の一つとして虫の侵入経路を知ることから説明していきますね。
まずは虫の侵入経路を把握しよう
虫の侵入経路は大きく分けると3つあります。普段生活していたらほとんど気にすることはないのですが、一度対策をしておけば、あとは放置していても大丈夫なので是非とも実践してくださいね。
- ドレンホースから登ってくる
- ダクト穴から侵入してくる
- 部屋の壁の中から侵入してくる
私が今まで出会ったケースで一番多かったのは①のドレンホースからの虫の侵入です。
ドレンホースはエアコン内部に溜まった水を直接外に排出してくれるホースですが、何も対策をしていないとホースを伝って虫が登ってくることがあるんですよ。
②のダクト穴はエアコンから出ている配管を通している穴のことです、ドレンホースもここを通っています。壁に穴を開けてしっかり穴を塞いでいるのですが、年月が経つことで隙間ができてしまい、そこから虫が侵入してきます。
③の部屋の壁の中からの侵入も、②と同じ原理なのですが、壁に穴を開けた時に、しっかり補強していないと虫の発生の原因になってしまいます。
私の実家もそうでしたが、エアコンのダクト穴をのぞいてみると開けっ放しで何もされていませんでした。
素人が見るとこれが普通なのかな?と思ってしまいますが、きちんと穴用のカバーが売っています。
(クリックで楽天市場に飛びます。)
ダクト穴にこれを埋めておけば、壁の中からの虫の侵入も防げそうですよね。手抜きをする業者も少数ながらいるようです。ウチの実家はまさにその典型でしたね( ;∀;)
虫の侵入経路を把握したら今度はそこを徹底的にを塞いでいきましょう。ここで紹介するのはホームセンターで手軽に購入できるものばかりですよ。
ドレンホースに専用キャップをつける
ドレンホースには、専用のキャップが販売されています。価格も数百円なので手軽に取り付けることができますよ。またドレンホースが地面に接していると、虫が入りやすい状況になるので地面から5㎝は離しておきましょう。(ドレンホースはハサミで簡単に切ることができますよ。)
代用としてゴミ取りネットなどで塞ぐこともできますが、ゴミが詰まると、目詰まりして水が逆流してくるのであまりオススメしません。定期的に交換するか、一時しのぎとして使いましょう。
ダクト穴を埋め直す
先ほど紹介したダクト穴の隙間はすきまパテというもので簡単に塞ぐことが出来ます。イメージとしてはちょっと粘り気のある粘土と言った感じでしょうか。古いパテを取り除いてから新しいパテで隙間を埋めていく感じで塞いでしまいましょう。
上の写真のように見えないところにダクト穴がある場合もあるので、その時は業者に依頼するか諦めるしかありません…。
エアコン使用時は送風運転や内部クリーンを併用する
どちらもエアコンの中のカビを防止するための方法になります。送風運転をするときは30分〜1時間行ってください。
また「内部クリーン」という機能が付いているエアコンの場合は、事前に設定をしておくと、エアコンの運転を停止した際に自動で送風運転を行ってくれます。
時間設定もできるので、自分の好きな時間を設定しておけば、勝手に内部の除湿をしてくれるので便利ですよ。メーカーによって使い方が若干違うので、説明書を読んで使うことをオススメします。
【〇〇(メーカー名) エアコン 説明書】で検索すればネットでも説明書を見ることができますよ。
引用元:日立 型式表示位置の目安
型式は上のようなシールが本体に必ず貼ってあるので確認しましょう。
定期定期に内部の掃除をする
ホコリやカビは放っておけはどんどん増えていきます。これは内部クリーン機能や送風運転をしていても完全に防ぐことが出来ません。
使う頻度にかかわらず、月に一回はフィルターの掃除を行うのが一番確実な方法です。前述していましたが内部のフィルターは自分で簡単に掃除ができるので是非やってみてください。
掃除機で吸い取る方法の他に水洗いしてホコリを落としてあげる方法もあります。
柔らかいブラシで擦ってあげると隅まで綺麗に出来ますよ。
最後に
エアコンの内部は定期的な掃除が必要で、なおかつ事前に対策をしていないと虫が巣を作って大変なことになってしまうというのがわかってもらえたでしょうか。
内容を簡単にまとめると、
- 送風運転を行い内部を乾燥させる
- 虫が苦手なミント系アロマを焚く
- 業者に依頼する
- ドレンホース
- ダクト穴の隙間
- 壁の内側
あとは、侵入経路をしっかり塞いで、定期的な掃除を心がければ、再度虫が侵入してくる可能性はグッと下がります。エアコン掃除で内部を綺麗にすると節電対策にも繋がるので、いいことずくめですよ。