トイレの掃除をしないといつの間にかサボったリングや尿石がこびりつい付いて、あわてて掃除をしても落とせないことってありませんか?実は尿にはカルシウムの成分が含まれていて空気と反応すると固まってしまう性質があるんですよ。
私はハウスクリーニングの仕事をしているのですが、退去後のアパート掃除をすると「全然掃除していなかったんだろうな!」と一目見ただけでわかるほど汚れたトイレに遭遇することもあります。ただそんな状態でも適切なやり方で掃除をすれば見違えるほど綺麗にすることができるんですよ。
この記事では、
- 尿石を落とす2パターンの手順
- 尿石を落とす時の注意点
- 尿石を予防する方法
を説明していきますよ〜。
まずは頑固な尿石の落とし方をパターン別で紹介していきますね。
尿石の落とし方は大きく2パターン
尿石の落とし方は大きく2つの方法があります。
- 物理的に落とす方法
- 洗剤を使って落とす方法
物理的な方法としてはサンドペーパーやマイナスドライバーを使って直接削ぎ落とす方法のことです。多少強引ではありますが、即効性があって簡単なのがメリットになります。デメリットは便器自体を傷つけてしまう可能性があることですね。便器に傷がついてしまうとそこに汚れが溜まりやすくなり、掃除が徐々に大変になっていきます。
洗剤を使って落とす方法のメリットは、洗剤の力で汚れを落とすので、便器自体を痛める心配はほぼありません。デメリットとして、浸け置き時間が必要なことと、頑固すぎる汚れには効きにくいことです。
どちらの方法もメリットとデメリットがありますが、尿石の場所で使い分けて掃除をすると簡単に落とせるので試してみてくださいね。
物理的に落とす方法4選
物理的に落とす方法はいつくか前述していましたが、安全面が高いものから順番に説明していきますね。
陶器用の研磨剤は幅広く使える
便器は陶器で出来ているので、陶器専用の研磨剤を使って尿石を削ぎ落とす方法が一番リスクが少なく綺麗にできる方法になります。使える範囲は便器内のほぼ全てで、ちょっとした変色や頑固な尿石も落とせるので試してみてください。
耐水性のサンドペーパーは細かい場所にも手が届く
水に強いサンドペーパーは細かい部分まで綺麗にするのに最適です。値段も安く、ホームセンターに行けば簡単に手に入れることができますよ。ぱっと見では気がつきにくい便器の側面の尿石を取るときにかなり活躍しますよ。
使い方としては、適度な大きさに切ったサンドペーパーをそのまま使う形でも良いのですが、マイナスドライバーなどの細い棒に巻きつけてこする方法がおすすめです。
目の洗い物から細かいものまで幅広く販売されていますが、便器に使うのならなるべく目の細かいものを選びましょう。
私の推奨としては、1000〜1500番のサンドペーパーになります。
軽石(クリーナースティック)はサボったリング除去に
これはプロも使っている尿石除去剤ですね。水が溜まった部分に出来るサボったリングには高い効果を発揮します。
頑固にこびりついた尿石を軽石でこすり落とすことも出来ます。便器自体を傷つけることもほとんど無いのが魅力ですが、デメリットは細かい部分や狭い場所に軽石が当たらないという点でしょうか。
マイナスドライバーで削ぎ落とす
こちらは完全に力技で落とす手段になります。便器を傷つける可能性が一番高いですが、マイナスドライバーは細かい部分にまで手が届くので使い勝手はかなり良いです。使う場所は尿石が一番たまりやすい便器の側面ですね。
前述していますが、基本はサンドペーパーと併用して使い、それでも取れない頑固な尿石に直接試してみてください。
洗剤を使って落とす方法3選
洗剤を使って落とすメリットは便器自体を傷つけずに汚れを落とせる点ですね。便器内全ての場所に使え、浸け置きだけで落とせるのもポイントが高いです。
重曹とクエン酸は環境に優しい
洗浄力は弱いですが、環境に優しく安全性が高い方法になります。尿はアルカリ性の性質を持っているので酸性のクエン酸は相性がとっても良いです。ただし尿石になると複合した性質を持つので酸性の力だけでは落としきれない場合があります。
そんなときにやって欲しいのが重曹とクエン酸を混ぜる方法です。
重曹はアルカリ性の性質を持っていますが、クエン酸と混ぜることで発砲して二酸化炭素ガスを発生させます。
二酸化炭素ガス自体はほぼ無害で、発砲した時の泡の力で尿石を浮き上がらせて除去することが出来ます。
重曹とクエン酸を混ぜる際は、
- 粉の重曹を最初に尿石に撒く
- クエン酸スプレーを吹きかける
- 便器の裏側などの尿石に使いたいのであれば重曹ペーストを作って塗る
酸性の洗剤(サンポール)で浸け置きするのが一般的
トイレ用の洗剤は酸性の洗剤が多いのですが、その中でも一番酸性が強いのがサンポールになります。これを使って浸け置きすることで頑固な尿石を溶かすことが出来ます。(サンポールがない場合は酸性のトイレ洗剤で試してください)
手順としては、
- 換気扇を回す。
- トイレに溜まっている水を抜く。
- トイレットペーパーを敷いてその上に洗剤をかけ浸け置きする。
- 30分以上放置したら水を流す。
トイレの水を抜く方法として、
- 小さな紙コップを使う
- 安いポンプを使う
などの方法がありますが、トイレ用のブラシを使って水位を下げる方法が一番簡単です。写真のように溜まっている水を奥に押し込んであげる動作を何回か行うと水が流れて水位が下がりますよ。
尿石除去剤はどうしても取れない頑固な汚れに
こちらは強力な尿石除去剤です。今はネットやホームセンターでも比較的簡単に購入することができるます。どうやっても取れない頑固な尿石に試してみてください。
ただし値段が1ℓ2000円とかなり高額になります。頑固でどうにもならない尿石や大掃除でトイレを徹底的に綺麗にしたいときに使うのが良いでしょう。
使い方の手順としては、
- 換気扇を回す。
- トイレに溜まっている水を抜く。
- トイレットペーパーを敷いてその上に洗剤をかけ浸け置きする。
- 30分以上放置したら水を流す。
尿石を予防する方法
ここまでの方法を試してもらえれば、尿石はほぼ除去することができます。ここからの章はトイレをなるべく綺麗に保つ方法をいくつかお伝えしていきますね。
- 用を足した後は毎回水を流す
- こまめな掃除を習慣づける
- 洗剤は酸性を使う
- 男性は便座に座って排尿する
- トイレの照明は明るくする
どれも聞いてみると当たり前のことのように思えますが、毎日のちょっとしたっことで尿石を予防することができます。
①の用を足した後に水を流すのは、当たり前だと思われるかもしれませんが、水をなるべく節約したいと考えて流さない方も意外と多いようです。その結果尿石が溜まってしまうリスクが上がってしうんですね。用を足したら一回一回きちんと水を流して尿が便器に残らないようにしましょう。
②のこまめな掃除が実践できていれば尿石はほぼできないと思ってもらっていいでしょう。毎日の積み重ねって結構面倒ですが、一日1分でもトイレの掃除をするだけで驚くほど綺麗な状態を保つことができますよ。
またトイレ掃除をする際は酸性洗剤を使いましょう。中性の洗剤も販売されていますが、尿石を落とす力はないと考えてください。
④の男性は便座に座って排尿するは、メディアでも度々取り上げられており、立ったままの排尿は便器から跳ねた尿が床や壁にも飛び散って臭いの元になってしまうので、結果的にトイレ掃除がとっても大変になってしまいます。
⑤の照明を明るくするは、薄暗いより明るい方が汚れを見つけやすいという点で書いています。トイレに限らず明るい方が汚れを見つけやすいですからね。
トイレ掃除をする際の注意点
トイレ掃除や尿石除去をする際に注意してほしい点をいくつかまとめました。普段の掃除の際や大掃除の時には特に気をつけてください。
まぜるな危険と書いてある洗剤は絶対に一緒に使わない。
前述していますが、トイレの洗剤は酸性の洗剤がほとんどです。それだけを使っているのであれば何も問題はありませんが、トレイにカビが発生した際にカビ取り剤を一緒に使ってしまうことがあります。
マスクや手袋をつけて換気扇を回しながら掃除をする
酸性のトイレ洗剤は皮膚などに付くと炎症を起こす危険性もあります。洗剤分が気化してそれを吸い込んで体調を壊す場合もあるので、マスク、ゴム手袋、換気扇を付け、準備をした上で掃除をしましょう。
最後に
頑固に思える尿石も適切な方法を使って落とせばそれほど手間をかけずに落とすことができます。また適度に掃除をしていたらそこまでこびりつかずに簡単に落とせるものだと思えたのではないでしょうか。最後に内容を簡単にまとめると、
- 陶器用の研磨剤を使う
- 耐水性のサンドペーパーを使う
- 軽石を使う
- マイナスドライバーを使う
- 重曹とクエン酸を使う
- 酸性洗剤を使う
- 尿石除去剤を使う
メリットとデメリットをよく考えながらそれぞれを併用して使うと尿石を落としやすいですよ。私のおすすめの掃除方法は、
- 便器を酸性洗剤で浸け置き
- 浸け置き中にトイレの他の場所を掃除してしまう。
- 最後に便器を仕上げて終了
浸け置きの良いところは、他の場所を掃除している間にしっかり洗剤分が汚れを浮き上がらせてくれるところです。少ない労力で掃除ができるので、ぜひやってみてくださいね。