だんだんと気温が上がり、そろそろエアコンでもつけようかなと思ってスイッチを入れると、なんだかカビ臭いような不快な臭いがエアコンからしてくる!そんな経験ありませんか?
私はハウスクリーニングの仕事をしていますが、夏前になるとエアコン掃除の依頼が殺到してきます。エアコンは定期的に掃除をしてあげないと、本体にホコリが詰まり、カビや雑菌が繁殖してしまいます。
ここで勘違いしている人もいるのですが、
「お掃除機能付きエアコンだから掃除は必要ないよね!」
これは全くの間違いで、お掃除機能のほとんどはエアコンフィルターのホコリを取る機能であって、カビを防止してくれませんし、溜まったホコリは自分で処分しなくてはいけないんですよ。
内部でカビが繁殖してくると、エアコンを使用する時に、吹き出し口の風に乗って部屋に撒き散らされてしまうんですよ…想像するとちょっと気持ち悪い環境ですよね。
この記事では、
- カビが発生する原因
- カビを除去する方法
- カビを防止する方法
- プロに依頼する場合は?
を順番に説明していきたいと思います。
まずはエアコン内でカビが発生する原因から見ていきましょう。
エアコンでカビが繁殖する原因
- 湿度70%以上(60%〜活発になり80%で一気に繁殖する)
- 気温20〜30度(25〜28度が繁殖しやすい)
- 適度な栄養分(食べカス、ホコリ、汚れ、ダニ)
- 除湿(ドライ)、冷房運転は、内部が必ず結露するので湿度が上がる
- 20〜28度の設定温度にする場合が多い
- 室内の空気を取り込時にホコリも吸い込む
しかも繁殖したカビはエアコンの風に乗って部屋の様々な場所に新たな根を張ります。特に湿度が高くなりやすい家具の隙間や押入れの中など、目に付きにくい場所で繁殖するので、気が付いた時には壁が真っ黒になっていることもあるんですよ。
エアコンのカビを除去するには
エアコン内部にできてしまったカビを除去する方法は、残念ながら掃除するしか方法がありません。プロに依頼して徹底的に掃除をしてもらうのが一番なのですが、まずは自分で掃除する方法から説明していきますね。
自分で掃除wする場合は、比較的簡単な場所からチャレンジしてみて下さい。
- フィルター
- アルミフィン(熱交換器)
- 吹き出し口付近
- シロッコファン
フィルター掃除のやり方
フィルターの掃除は誰でもできるので是非とも定期的に行ってください。一派的なエアコンは前面パネルを開けるとすぐにフィルターが出てきます。掃除の前段階で取り外しておきましょう。
(ゴミ袋20〜40ℓ)
(油用マジックリン)
フィルターは掃除機でホコリを吸い取る
カビや油が付着している場合は浸け置きする。
油用マジックリンを全体に吹きかけビニール袋に入れて30分放置して水洗いする
フィルターについた水分はタオルで完全に拭き取る
タオルで挟み込んで優しく水分を取るとフィルターが痛みませんよ。
これでフィルター掃除は完了です。簡単に掃除ができる上に最初に汚れる場所でもあるので覚えておいて下さい。
アルミフィンの掃除のやり方
アルミフィンの場所はフィルターの奥になります。全体を掃除するならカバーを外してあげないといけませんが、ここではカバーを外さない掃除のやり方を説明しますね。
カバーを外す方法はこちらで解説しています。
掃除の手順
アルミフィンに内部クリーナーを均等に噴射する
プロがエアコン洗浄を行うときは、強力なアルカリ洗剤を使って汚れを落とした後に、洗剤分を水で綺麗に洗い流す作業をしますが、市販のスプレーにはその工程がありません。そのためスプレーの洗剤分が残って逆にカビの栄養源になってしまう可能性があります。
そうなってしまうと掃除した意味があまりないので、カビの心配がないスプレーを使ってみるのはいかがでしょうか。
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こちらはアルカリ電解水100%でできていて、言ってしまえば、洗浄力をプラスした水です。なのでエアコン内部に残ってもカビの栄養源になることもありません。また腐食やサビの心配もありません。
安全性を考慮して作業するなら内部クリーナーを試してみてください。ただし、ホームセンターで見かけたことがないので、購入する場合はネットからになります。
今すぐ目の前のカビを掃除したい場合は、エアコン洗浄スプレーを使用しましょう。
シロッコファンの掃除のやり方
シロッコファンを掃除するためにはその手前にあるルーバーと呼ばれる部分が邪魔になります。まずはルーバーを取り外しましょう。動画を見つけたので参考にしながら取り外してください。
ルーバーはプラスチック製なので古いエアコンほど劣化して壊れやすくなっています。
動画の中でも行っていますが、外す順番は、
- 中央
- 左
- 右
プラスチック部分を曲げながら取り外しますが、曲げたときにポキっと折れてしまうこともあります。もしも壊れてしまったら瞬間接着剤を使って直すか、機種が新しければメーカーから部品を取り寄せることも可能です。
ルーバーを無事に取り外せたら、中のシロッコファンを掃除します。掃除方法はいくつかありますが、ここでは簡単な方法を説明してきますね。
- 90mlのゴミ袋×1
- 100均のスプレーボトル×1
- お湯
- 消毒用アルコール
- タオル×2
掃除の手順
エアコンのコンセントを抜く
養生をする
スプレーボトルにお湯を入れる
シロッコファンにスプレーを吹きかける。
シロッコファンを手で回しながら満遍なくスプレーする
エアコンのコンセントを入れる
吹き出し口の前をタオルで塞ぎ運転する
シロッコファンの水分がなくなるまでタオルで水分を受け止める
20分送風運転をして乾燥させる
手の届く部分は消毒用アルコールで拭き上げる
完了
この手順だけでも目に見えるカビはだいぶなくなります。
カビを防止するための普段のお手入れ方法
さて、上記で紹介した掃除を行うことで、エアコンのカビを除去することができるのですが、せっかく綺麗になったら、その状態を長く維持したいですよね。そこでここからはカビを防止するための対策と普段のお手入れについて説明していきますね。
フィルター掃除
使用頻度にもよりますが、2週間に1回はフィルターの掃除をしてください。そうすることで、フィルターの目詰まりがなくなるので無駄な電気代の節約にもつながりますよ。
部屋の湿度を下げる
エアコン以外でも部屋の湿度を下げることも、カビ対策として有効です。湿度が60%を超えないように湿度計を設置しておくと目ですぐに確認できるので対応しやすいと思いますよ。
湿度を下げる方法としては、除湿機を使うか換気をする方法があります。換気をする場合は、対角線上の窓を開けて風が部屋を通り抜けるようしてください。
また、アイデア除湿という点でおすすめなのが、凍らせたペットボトルを部屋に置く方法です。
用意するもの
2ℓのペットボトル
受け皿
手順
2ℓのペットボトルに水を8割入れて凍らせる
除湿したい部屋に凍らせたペットボトルと受け皿を設置
そのまま放置する
原理を説明すると、冷たい飲み物を部屋に置いておくと結露してコップの周りに水滴が付きますよね?その水滴って部屋の湿気が急激に冷やされて水に戻った状態なんですよ。
なのでペットボトルに水滴がついた分だけ、部屋の湿度は下がるということです。
内部クリーンを使う
内部クリーンとはエアコンの運転を止めた後に、自動的に送風運転をする機能です。送風運転をすることで、エアコン内部を乾燥させて、カビが繁殖しにくい状態にしてくれます。
送風運転の目安は2時間ですが、部屋の気温が上がってしまうので、出かける直前に内部クリーン運転をするのがおすすめです。
内部クリーンの詳細はこちらで説明しています。
内部クリーン機能がない場合は、手動で送風運転を行ってください。
簡単カビ防止グッズを紹介
ここからは置くだけでカビを防止してくれる便利グッズを紹介していきますよ。
カビきれい
エアコンの上に置いておくだけで、防カビ効果と防臭効果が期待できる製品です。香りでごまかさないタイプの製品なので部屋の空気を汚しません。持続効果は3ヶ月なので、定期的に取り替えましょう。
カビ革命
こちらはカビを繁殖させないための製品です。死滅させる成分が入っていない分安全性が高く、小さいお子さんや、お年寄りがいる場合に活躍します。消臭と抗菌作用もあり、下駄箱や押入れにも使えます。
ホコリカバー
エアコンを使わない時期は、いっそのことカバーをかけてホコリがたまらないようにカバーをかける方法もあります。数百円高くなりますが、おしゃれなカバーも売っているので部屋のインテリアのアクセントにもなりますよ。また洗濯も可能なので、繰り返し使えるのもポイントが高いですね。
プロに依頼するなら
自分でできない部分や、丸ごときれいにしてもらいたいのであれば、やはりプロに依頼するのが一番確実な方法になります。ここではプロに依頼する際のメリットや注意点などを説明していきますね。
依頼する業者はどう選ぶの?
掃除屋をしている私の意見としては、知り合いの伝手でエアコン掃除ができる業者がいるなら、そこに依頼するのが一番間違い無いと思います。
そういったものがない場合は、全国展開しているお店がおすすめですね。おそうじ本舗あたりは、エアコン掃除の評判も良いので個人的にもおすすめです。
値段の相場と作業時間はどれぐらい?
相場と作業時間はエアコンの修理によって変わってきます。お掃除機能付きのエアコンの方が値段も上がり作業時間も長くなりますよ。
種類 | 相場 | 作業時間 |
お掃除機能無し | 10000〜12000円 | 1時間 |
お掃除機能付き | 15000〜23000円 | 2時間 |
作業時間が倍近くかかる理由として、分解する手間が全く違います。お掃除機能付きエアコンは、配線がかなり多いので、分解するだけで1時間近くかかってしまいます。一方お掃除機能無しエアコンはカバーを外すまで10分程度です。
お店によってはお掃除機能付きエアコンを断るところもあるので、事前に確認をしましょう。
プロに依頼するの目安はある?
私がお客さんにおすすめする目安としては、
- 3年に1回
- 吹き出し口にカビが繁殖しているのが見える
- エアコンから不快な臭いがする
これらが見られるようになったら一度点検してもらうのも良いかもしれませんね。もちろん自分で掃除してみて、臭いが消えるようなら、プロにしてもらうほどではなかったという判断でも良いと思いますよ。
最後に
エアコンは元々カビが繁殖しやすい環境になっているので、人の手で抑制する必要があります。一度繁殖したカビは掃除をしない限り、対処法がないのがもどかしいですが、きれいにした後なら抑制するグッズもあるので、定期的にカビが生えていないかチェックする習慣をつけて下さい。
自分でできる対策をまとめると、
- 部屋の湿度を下げる
- エアコンフィルターを掃除する
- 内部クリーン機能を使う
- カビ防止グッズを使う
カビを完全に死滅させることは難しいので、繁殖を遅らせるなどの対策をとりながら定期的に掃除をするのが最善の対策になります。私の場合は部屋全体の湿度を下げるという意味では除湿機は欠かせない家電となっています。洗濯物も乾かせるし、湿度の高い時に重宝するアイテムですね。値段がそこそこするので簡単に購入できないのがもどかしいですが…